引退

新代表らに辞令を下し、私は大組織の代表を遂に引退した。優秀な同期に恵まれ幸せであった。この感謝は長い時間をかけて伝えていかねばなるまい。

まだ後始末は残っている。私の愛したこの組織がこれから先も規模を維持・拡大し続けられるよう、新しき運営陣に仕事を完全に引き継ぎ、その後も助言を与える。

私個人はつくづく無能であったが、しかし優秀な運営陣と参加者の円滑な運営への協力あって、大きなスキャンダルを起こす事なくこの日を迎えることができた。運営に関わった2年弱、特に私が引き継いでからは色々と不幸な事態にも見舞われたが、何とか道を繋ぐことができた。面倒事を嫌がらず共に乗り越えてくれた諸兄に感謝申し上げる。

 

仲間に恵まれた。この言葉を心から噛み締める。高校時代の部活の話はあまりしたくないのだが、私は弓道をやっていた。2年次で既に総体へ出場するレギュラーであり、僅か16ヶ月で二段の段位を得た。段位を得るとしばらく昇段試験を受けられないので、16ヶ月はかなりの短期間である。休日も盆休みも毎日を弓道に捧げていたのだから当然だが。

しかし私らの学年に代替わりした時、悲劇は起きた。毎日練習し仕事も誰よりも熱心に取り組む私は煙たがれていたらしい。一軍のメンバーから外された。彼らを信用していた私に落ち度があった。彼らは私を仲間とは思っていなかったようだ。まあ結局練習でも本番でも我ら二軍が一軍に勝っていたので、どれだけ腐った組織構造であったかはよくわかるだろう。

 

私は学んだ。組織において一定の権威を持たねばいつでも捨てられてしまうと。自由、権利、機会。そうした基本概念が剥奪されてしまうと。

しかし安心してほしい。私は私欲のために代表としての権力を以って横領を働いたことは一度たりともない。私が受けようとした恩恵は立場の安定のみだ。

 

同志に恵まれなかった高校時代という暗い記憶。それがあったからこそ、思い起こす度に噛み締める今の仲間への敬愛。

私と仲良くしてくれてありがとう。末永くよろしく頼む。

 

我々は次第にこの業界を去る。後は託す。新世代の諸君にエールを送る。

 

健闘を祈る。